内部重力波



静かな水面に一滴の雫が落ちたとき, その波紋は同心円状に広がり, そしてまた静寂の世界が訪れる. 仮に水の粘性を無視したとしても, 雫が落ちたところがいつまでも波だっているようなことはない. これは雫が落ちたときのエネルギーを波が運び去ってしまうためである. そして, このエネルギーも波の波面と同様に, 同心円状に広がっていく.

このようにエネルギーの進む方向 (群速度の方向) と 波の山谷のパターンが進む方向 (位相速度の方向) は同じなのは, 当り前のように思えるかもしれない. しかし,この関係がいつも成り立つわけではない. ここで紹介する内部重力波のように 群速度と位相速度が直交する ようなものもある. 内部重力波とは安定成層した流体の内部に起る波のことで, 重力を復元力とする点では水の表面波と同じである.

このような内部重力波は大気の中でも, 季節風が山脈を越えるときなどに発生する.


実験装置

実験 1 : 振動する丸棒から出る内部重力波

教科書によくでてくるけど, なんのこっちゃ, さっぱりわからん内部重力波の典型的実験.
実験1 PHOTOS
実験1 MOVIES

実験 2 : 波群の伝播

位相速度と群速度が直交するというからには「波群」がないとようわからん. 「波群」を作ってみた実験.
実験2 PHOTOS
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実験 3 : 山岳波

山の風下にできる波の実験.
実験3 PHOTOS
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実験裏話